まだ英語が話せなかった十代の多感な時期、父の転勤に伴ってベルギーで過ごした。文化も言葉も違う約80か国もの国から集まった生徒たちと過ごす中で、「彼らの価値観を知れたのは、英語というツールがあってこそ」と実感。帰国後、カンボジアでの英語教育事業を立ち上げ、現在は日本の中学・高校生を対象に英語力の底上げに尽力。“英語教育”を軸にする、彼の思いとは?

ベルギーの学校で約80か国もの生徒たちと過ごした

お仕事について教えて下さい。

AIを使った英会話のアプリケーション・TerraTalk(テラトーク)の開発と運営をしているジョイズ株式会社で、シニアセールスマネージャーとして営業をしています。

本社は東京にあり、2017年秋の大阪オフィスの立ち上げから1年少し経ちますが、1年かけてようやくお客様が増えてきたといった感じです。

お客様はどのような方が中心なのですか?

主に学校法人ですね。高校生に対しては英検対策など、2020年から変わる大学入試のための準備をするツールとして使って頂き、中学生には長期的な視点から、英語を話すことの楽しさや必要性を感じてもらう教材として使って頂いています。

学校によっては1人1台iPadを使って授業をしたり、家での学習を先生方が管理できるような仕組みになってきています。また、ITツールの利用に不慣れな方もいるので、使い方や活用に関してのサポートも行っています。

今に行きついた経緯に興味があるのですが、まずは学生時代の経歴がユニークですね。中学、高校でベルギーに住んでいたと。

父の仕事の関係で、中学2年の夏から高校2年の3月までの3年半ベルギーの首都・ブリュッセルに住んでいました。

現地校ではなく、インターナショナルスクールに通っていたので世界各国からの生徒が集まり、80か国ぐらいの生徒がいたでしょうか。

どんな影響を受けましたか?

色んな人がいて、色んな価値観があるということですね。それまでは千葉県の地元の公立小学校、中学校に通って、地元の人、日本人としか知り合う機会がありませんでしたが、ベルギーでは色んな国の友達に囲まれて、物事を客観的に考えたり、相手の立場を考えるようになったり。

今のベースになっているのは、その時の経験が大きいと思います。

当初から英語は話せたのですか。

いえ、全く。定期テストとか英語が教科の中で一番点数が低かったです。それでも幼稚園からやっていたサッカーのおかげで、言葉が通じなくても友達とコミュニケーションが取れたんです。スポーツやサッカーの力は偉大だと感じましたね。

森さん5

 

そのうちに英語にも少しずつ慣れてきて、英語で会話をすることで色んな人の価値観に触れることができたのも、人生における変化だと思います。今でもサッカーと英語の存在は人生の財産だと思っています。

帰国後、日本の高校に転入。印象に残っている出来事はありますか?

帰国子女入試で年末には上智大学に進学することが決まり、卒業までの残り3か月をどう過ごすかと考えていたところ、「“優勝賞金100万円” 高校生のための起業家講座」というビジネスコンテストを見つけました。3か月間、私と同じ状況にある同級生とチームを組んで参加することにしました。

起業したい意欲があったわけではなく「起業、面白いかも」ぐらいのノリでしたけど、参加してみたら一気にのめり込みました。毎週、スタートアップの起業家が登壇し、それに伴ってワークショップでは、事業プランの作り方や考え方についてブラッシュアップしていきました。その過程で「自分が作ったものが世に出て、社会的インパクトを起こすのは面白い」と考えるようになりました。

森さんが考えたのは、どんなプランだったのですか?

高校の友達3人とチームを組んで、使わなくなったガラケーを集めて、その中に教育コンテンツを入れてカンボジアの村の人たちに英語教育をするというプランでした。

仲間の1人がカンボジアからの帰国子女で、カンボジア人が英語が話せるようになると、給料が3倍になると聞いたので、その手助けができないだろうかと。

結果、そのプランで優勝し100万円を頂きました。

森さん4

実際に、どう行動に移したのでしょう?

知識も経験も全くなかったたちにとっていきなり海外事業というのも無理な話で、その時は断念したんです。

そして大学に入学した後、いつか実行に移せる日が来るまで、それぞれ興味のある分野についての知識を身につけておこうと話し合って、1人はマーケティング、1人はエンジニアリング、私は営業の分野でインターンをすることにしました。

インターンではどんなことをしていたのですか。

大学一年時に行ったインターンでは、専門学校を中心にLINE@の営業をしていました。営業がどういうものかも分からず飛び込みましたが、がむしゃらに働いて、結果的に営業の全体像を見ることができたことは大きな収穫でしたね。

それと同時進行で、高校の時に組んだチームで、引き続きアプリやWebサービスを企画したり、毎週朝7時半からのピッチイベントに参加し、自らのアイデアに対し、VCからフィードバックをもらったりしていました。それぞれがインターンで力をつけて、大学2年時に「今だったら、あのプランを形にできるんじゃないか」と。その時はガラケーではなく、スマホが普及していたのも後押しになりました。

どのように行動したのですか?

元々のアイデアは、ネット上で調べただけで、本当にニーズがあるのか、あくまで仮説でしかありませんでした。そのため、大学2年の夏休みにバックパッカーでカンボジアにいきました。カンボジアの現状を知るために現地の小学校に行ったり、カンボジアで活動している日本のNPOの活動を見学させてもらったりしました。

実際に滞在する中で、「やはり英語は必要だ」と実感し、その時の滞在で知り合った現地のNGO団体・Mlup Baitongと共同でプロジェクトをスタートすることにしました。

最初にサービスを実施したのは?

学校ではなく、村でした。村の中学、高校生を広場に集めてスマホを渡し、各自で家庭学習をしてもらい、一週間後に学んだことをシェアしたり、会話の実戦練習をするという反転学習を実施しました。

もりさん2

 

うまくいきましたか?

プロジェクト実施前と実施後にテストを実施し、どう学習成果が出たのかを検証しました。結果的に、スマホを渡した30人の英語力が一か月後に伸びていたので成功だったかなと。

初めての運営だったので、色んな問題がありました。まずWi-Fiがないので、手作業で1つずつiTunesから動画を入れて……、想像以上に手間のかかる、大変な作業でした。

その後、これらの成果を元に、日本財団をはじめとする様々な団体から助成金をもらいながら、合計5つの農村地域、約150名の生徒にスマホを用いた映像教育を提供しました。

 

リンクスでは色んな人と“ざっくばらんに”話ができる

その道をそのまま突き進むことはせず、大学卒業後は今の会社に就職されていますね。

何度も法人化しようと思ったんですけど、どういう風にビジネスにしたらいいのかが分からなくて。先ほど述べたように、助成金や日本財団からの補助金をもらっていましたが、それだけだとなかなか拡大していくのは難しいんです。

高校時代と同じように、「今の実力で大きなムーブメントを起こすのは難しい」と仲間と話し合い、それぞれが別の道を進んで力をつけることにしました。

今の会社に出合った経緯とは?

大学3年生の時、「Tokyo Startup Gateway」という、東京都とNPO法人ETIC.が主宰しているビジネスコンテストに参加した際、今の会社の代表の柿原との出会いがあり、当時立ち上げたばかりのジョイズ株式会社でインターンをすることになりました。

当時のプロジェクトでは、映像授業がメインでしたから、文法や単語のインプット中心です。一方で、カンボジアの実社会が求めるのは、話せること、なのでスピーキングの機会をどう創出するかに頭を抱えていました。

ですので、AIを活用した英語のスピーキングアプリは、カンボジア事業でも活かせそうだなと。

森さん3

 

いつかは、またカンボジア事業にシフトするのでしょうか。

会社的にはどうか分からないですけど、個人的にはまた機会があれば挑戦したいですね。

ただ、海外経験を通して、日本人は英語さえできれば世界でのプレゼンスを高められるといった思いもあるので、今の会社で、日本の学校を中心に日本人のための英語教育を推し進めることにも、やりがいを感じています。

もりさん1

 

入社2年目の2017年秋、大阪での立ち上げを任され、単身で大阪へ。

実際に大阪に住んでみたら、想像を超えて良い街でした。ただ、知り合いがいないところからのスタートだったので、最初はめっちゃ寂しかったですよ(笑)。

ただ、大阪はリンクスを拠点にしていたので「1人じゃない」という感覚を持てたことは、とても心強かったです。

リンクスの好きなところを教えて下さい。

一業界で一企業の人間として、深く追求すればするほど視野やコミュニティーが狭くなってしまうので、リンクスのように、常に色んな人が入れ替わり立ち代わり入ってきて、全く違う職種の人たちと会話をすることはとても刺激的ですし、勉強になります。

異業種の方たちと触れ合えることが魅力。

はい。広い視野を持つことは大事だと、リンクスに来る度に気付かされます。また、“ざっくばらんに”シェアし合えるというのが良い点ですね。コーヒーが置いてあるスペースで顔を合わせれば、どんな人とも気軽に、何気ない会話が生まれますもんね。

森さん個人の目標を教えて下さい。

今の会社も、カンボジア事業についても、「英語が話せるようになることで全く違う価値観に触れることができる。それが君の人生を変えるかもしれない」という一貫した思いで取り組んでいます。

英語を話すことができれば出会う人の幅も広がりますし、そのぶん人生を変えるような衝撃的な体験も得られる。人生が変わる瞬間って誰にでもあると思うんですけど、その瞬間にできるだけ多く立ち会えるサービスを提供し続けることを、今後もやっていきたいです。

最後に、森さんにとってリンクスとは?

自分を豊かにしてくれる場所です。私自身、振り返ると人生が変わったタイミングって、人との出会いだったんです。ベルギーに住み、様々なバックグランドを持つ国の生徒と触れ合ったことや、サッカー少年だった私が起業家セミナーに参加してみたこと、そしてカンボジア事業を通して学生の枠を超えて、異業種の人と出会うことで自分の人生が豊かになりました。

人との出会いが大切――ということを実感していた私にとって、リンクスで色んな業種の人と出会える機会は貴重なものだと感じています。

PROFILE
森さんアイキャッチ
ジョイズ株式会社
森 俊介(もり しゅんすけ)
まだ英語が話せなかった十代の多感な時期、父の転勤に伴ってベルギーで過ごした。文化も言葉も違う約80か国もの国から集まった生徒たちと過ごす中で、「彼らの価値観を知れたのは、英語というツールがあってこそ」と実感。帰国後、カンボジアでの英語教育事業を立ち上げ、現在は日本の中学・高校生を対象に英語力の底上げに尽力。“英語教育”を軸にする、彼の思いとは?
基本情報
役職:シニアセールスマネージャー
出生年:1994年
血液型:AB型
出身地:千葉県千葉市
出身高校:東京学芸大学附属国際中等教育学校
出身大学:上智大学 経済学部経営学科
座右の銘
  • 勝ったやつが強い
プライベート
ニックネーム:もりしゅん
趣味:フットサル、油絵、書道
特技:サッカー
尊敬する人:中村俊輔
年間読書数:20冊程度
心に残った本:モモ (ミヒャエル・エンデ)
心に残った映画:LEON、School of Rock
好きなマンガ:キングダム (原泰久)
好きなスポーツ:サッカー、野球
好きな食べ物:ラーメン、焼肉
嫌いな食べ物:タランチュラ
行きつけのお店:オリジン弁当
訪れた国:20カ国くらい
大切な習慣:一人でぼーっとする時間を作る
口癖は?:とりあえず
URL・SNS
BACK NUMBER
SHARE ON記事をシェアする
  • THE LINKS twitter

THE LINKS KITAHAMA

〒541-0042 
大阪市中央区今橋2-3-16 MID今橋ビル1F

tel. 06-6226-0002 / fax. 06-7635-4905
open.【平日】 9:00 - 22:00 【土曜】 9:00 - 20:00 
(日・祝祭日:定休日)
※平日は20時までの入店をお願いしております。

北浜駅 徒歩3分 / 淀屋橋駅 徒歩5分