大阪・北浜のコワーキングスペース・THE LINKSを“つなぐ。つなげる”人物を紹介する、インタビュー連載の第1回目はTHE LINKSを立ち上げた坂井征司氏。「ここからGoogle規模の会社を作り出せる起業家が巣立って欲しい」との夢を掲げ、生まれ育った大阪を拠点に3つの異なる業種の経営者として活躍している。彼の心意気を伺った。

36歳で社長に。社員たちを背負う覚悟を持った

3社それぞれの事業内容についてお聞きしますが、まずは株式会社坂井商会についてお話頂けますか?

先代の父から受け継いだ株式会社坂井商会では土木資材とエクステリアの販売をしていて、簡単にいうとマンホールや公共工事で使う資材を卸売りしています。

どのような経緯で会社を継ぐことに?

十代から二十代にかけて父と音信不通だった期間が10年程あり、大学卒業後は「いつかカフェ経営をしたい」とスターバックスでバリスタをしたり、時間帯責任者を任されるなど3~4年働いていました。

その後スキルアップを目指して松下(現パナソニック)の乾電池工場を請負っている会社に就職し、管理職として3年勤務して。

そして坂井商会に。

はい。坂井商会で働いていた兄が会社を辞めてしまい、父が「継ぐ人がいないから会社を閉める」と言い出したんですね。それを聞いた時、せっかく40年かけて大きくした会社を閉めてしまうのはもったいないと、会社を継ぐ決意で父に会いに行きました。父は私に会社を継がせようとは思っていなかったようですが、それから4年間の頑張りを評価してくれたようで、ある日突然、「次の決算からお前が社長をやれ」と言ってくれました。

その4年間で評価された点とは?

それまで大手企業の合理的なデジタル管理に慣れていたので、父の会社のアナログなやり方、例えば給与明細も納品伝票も全て手書きというやり方に違和感を覚えて。例えていうなら、プレステからファミコンに戻ったような感覚でしたので(笑)、これまでのスキルと経験を活かしてデジタル化を進めたことが評価されたのではないかと。

デジタル化の成果は?

売上は4年で1.5倍になりました。作業効率が向上しただけでなく、それまでは売上目標なく働いていた営業に対し、明確な数字を打ち出したことでモチベーションアップにつながったのだと思います。

そして36歳で社長に。新たに見えてきたものはありましたか?

「会社を代表する」という覚悟を持つこと、これに尽きますね。自分の判断1つで会社が傾く可能性がある危機感を常に感じ、もしものことがあったら社員だけでなく、その家族の人生も狂わせてしまう。彼ら全員の人生を背負う覚悟を持たなければいけないと実感させられました。

覚悟を持てる人が社長になれる、もしくは社長になって覚悟がつくものでしょうか

自分では「社長という柄じゃない。劉備玄徳に仕える諸葛孔明のようなナンバー2の役割が合っている」と思い込んでいましたが、いざ社長になってみると、大事なのは社長に合っている、合っていないではなく、「やるか、やらないか」なのだなと。

会社を良くしたい思いがあるなら、最短でそれができる役職が社長なのだから「やるしかない」。今はそんな気持ちでいます。

次に、インダレート株式会社を起業した経緯について教えて下さい。

北海道と和歌山をつなぐ面白い事業をやっている人がいると紹介を受け、話を聞けばどちらの県も魅力的な特産品をたくさん扱っているが、和歌山なら和歌山の特産品だけを売るのは、もう出尽くしている、北海道だけでもマンネリ化していると。

では2県の特産品を掛け合わせて新しい価値が生み出せないかということで、2015年、インダレート株式会社を立ち上げ、今年7月から和歌山の桃や温州ミカンなどの果物と北海道の乳製品を掛け合わせたアイスキャンディーを販売する予定です。

その他、和歌山の名産である柿を使った“柿チップ”を開発中で秋に販売予定。真空で揚げることで驚くほど美味しい柿チップになるので、ぜひ皆さんに試して頂きたいですね。北海道でも見かけられるように頑張っています。

全く異なる事業内容である2社の共通点とは?

共通しているのは、私のモットーである“地域貢献”です。昨今は仕事も人口も東京集中で、大阪でさえもっと頑張らなければという危機感を持っているので、坂井商会においては「地元で雇用を生み出し、地元に還元する」という使命感を持っていますし、北海道と和歌山のコラボの話をお聞きした時は、地方を活性化できる喜びを感じました。

皆が生き生きと働ける環境が地方にあるのは理想的です。

北海道と和歌山は農家が多いので、今から若い人を呼び戻すのは難しいですが、今そこに住んでいる高齢者の方が生き生きと暮らせるように生涯スポーツにも焦点を当てていて。パークゴルフという北海道発祥のスポーツを和歌山で普及する活動を市区町村を巻き込んで進めています。

“特産品の開発”と“生涯スポーツ”。この2つの両輪で地域貢献することがインダレート株式会社の目指すところです。


人が“場所”を作る

2016年11月、大阪・北浜にオープンしたコワーキングスペース・THE LINKSについてお伺いします。

インダレートを立ち上げた際、起業する時間とコストと労力想像以上にかかったことがTHE LINKS立ち上げのきっかけになりました。

坂井商会は父から受け継いだ会社であったのに対し、「1から起業するのは、これほど大変なことなのか」と感じていたところ、中小・ベンチャー企業を支援している株式会社副社長の高室直樹さんから「同じ気持ちを抱いている人たちをサポートする空間を作りませんか」と、ご提案頂いて。

事業構築や店舗プロデューサーの株式会社Re;Connect代表の中川慎也さん、そしてBENDS.デザイナーの村上智也さんにも加わって頂き、このプロジェクトを立ち上げるに至りました。

サポートというのは具体的に?

まずはコスト面のサポートとして、起業家、フリーランス、ベンチャー企業の方などがオフィスを構えなくてもいいように作業スペースを提供すると同時に、あとは精神面ですね。業種を超えてヨコのつながりをサポートしたい――そんな気持ちを込めて、“つながる”という意味のLINKSと名付けました。

運営は順調だそうですね。

人を惹きつける良い空間になっていると自負しています。オープンから1年も経ちませんが多くの方に会員になって頂き、しかも会員様が素敵な人ばかり。「人が場所を作る」とはいったもので、会員様おひとりおひとりが素晴らしい雰囲気を創り上げて下さっている、と心から思いますね。

お客さんが集う、その理由は何だと?

第一に挙げられるのは“コミュニケーター”と呼ばれるスタッフのホスピタリティにあると思います。彼女らは礼儀と節度をもって接客することは当然のことながら、顔見知りの会員様をあだ名で呼ぶこともあるなどフレンドリーな面も持ち合わせています。

しかも、何気ない会話を通して人とのつながりや情報を欲している会員様に別の会員様をご紹介するなど、まさに“LINKS”な役割を果たしてくれている。非常にコミュニケーション能力の高い人材が集まっていると感じます。

先ほど「人が場所を作る」とおっしゃっていましたが、THE LINKSの和やかな雰囲気は、そこで働く人たちが作っているとも言えますね。

そうかもしれません。オープン当初はただの空間、箱でしかなかったものが、コミュニケーターが生き生きと働き、そこに会員様が集まり、会員様がまた新たな会員様を呼んで下さることで、まさに理想としていた“人と人がつながる”空間になってきていると肌で感じているところです。

東京、大阪に数々のコワーキングスペースがありますが、コミュニケーターとお客様が気軽に会話している光景はなかなか見かけません。

コンセントが充実しているだとか、電話ボックスが設置されていてプライバシーが確保できるなど自らの仕事に集中できる以外の付加価値として、「ここで仕事をすれば誰かとつながれる」と思って頂けるような、そんな心の拠り所になれたら嬉しいですね。

では、THE LINKSの今後の目標を教えて下さい。

起業したい方、起業して間もない方の悩みに手を差し伸べるようなサービスとして“ビジネスコンシェルジュ”の立ち上げを考えています。

その中で会員様同士がつながって新しいビジネスモデルを構築し、社会や地域を盛り上げて下さったら本望ですし、私個人としてもTHE LINKSをやっている意義が感じられると思います。

坂井さん同様“地域貢献”を掲げる人材が巣立ち、大阪が盛り上がっていくという構図ですね。

大きな夢ではありますが、Googleぐらいの会社を立ち上げる起業家がTHE LINKSから現れてくれれば大阪が活気づくのではないかと。そのための支援は惜しみなくやっていくつもりですし、そんな起業家の皆さんの刺激を受けることで私自身も、もっと向上していけるといいですね。

あなたにとってTHE LINKS〜つながる〜とは?

人は人と『出会い、繋がりを深め、お互い切磋琢磨し高めあう』事がつながる形の理想だと考えます。THE LINKSのコンセプトワード「出会う、つながる、高め合う」にも共通する想いです。


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株式会社 LINKS
坂井 征司(さかい せいじ)
1975年大阪府守口市生まれ。トラック運転手、カフェ店員、工場のライン管理者など、
様々な職業を経験した後、父親が創業した㈱坂井商会に入社。
2012年に代表取締役に就任後、様々な社内改革に乗り出し、売上を4年で約2倍にする。
2016年11月に㈱LINKSを立ち上げ、「LINK=繋がる」を理念として起業家を支援しながら大阪を盛り上げるべく活動中。
基本情報
役職:代表取締役
出生年:1975年
血液型:A型
出身地:大阪府守口市
出身高校:大阪府立守口東高等学校
出身大学:大阪経済大学経済学部(中途退学)
所属団体、肩書き等
  • 一般社団法人大阪青年会議所2015年理事
座右の銘
  • やらずに後悔するより、やって納得する。
プライベート
ニックネーム:マンホー
趣味:バスケ・ゴルフ・読書
特技:どこでも寝れる、すぐ寝れる
尊敬する人:マイケルジョーダン・三浦知良
年間読書数:30冊くらい
心に残った本:ブレイブストーリー(宮部みゆき)
心に残った映画:今あいにいきます
好きなマンガ:宇宙兄弟・ハンター×ハンター・ダンジョン飯
好きなスポーツ:バスケ・ゴルフ・サッカー
好きな食べ物:カレー・焼肉・チキン南蛮
嫌いな食べ物:特になし
行きつけのお店:きづな、沁ゆうき、カトマンドゥ
訪れた国:韓国・中国・マレーシア・ドイツ・ハワイ
大切な習慣:朝かならずシャワーを浴びる
口癖は?:せやなー
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