
2017.07.04
株式会社ギアミクス 営業担当執行役員
矢部 明良Yabe Akira
スーパーマーケット・食品工場等の店舗のカビ除去を主とし、ウイルス・細菌対策といった衛生環境の改善をコンサルティングする株式会社ギアミクス。2016年、「本当に良いモノを、より多くの人々に届けたい」というビジョンを掲げ、5名で起業。自分自身を鍛えることを取り組んできた20代を経て、今現在30代が充実しているのは“人とのつながり”を大切にしているからだと彼の背中は教えてくれる。
話せば長くなりますが、大学時代のアルバイト経験から起業家への道が始まったと思います。それまでは自ら引っ張って何かしたいと考えるタイプではありませんでしたが、18歳の時、アルバイト先ですごく仕事ができる5歳上の店長に「お前が俺の年になった時に、俺に勝てるのか」と聞かれまして。
「絶対に追い抜いてやる」――そんな気持ちが起爆剤となって最終的にはアルバイト店長にまで上り詰め、大学卒業後はそのまま就職をすることになりました。
いや、それが全然。人を教育しなければいけない立場でありながら人を叱れない人間で、下の子になめられてましたよ(笑)。人前で喋ることも得意ではなく、行き帰りの車の中で1時間、喋る練習をしたり、こう言われたら、こう返そうとシュミレーションをしたり。
それに加えて、社員になると店の売上はもちろん、従業員の育成についても考えなければいけませんから「どうやったら皆がついて来てくれるだろう」と、上に立つ立場の難しさを感じ始めたのが23~24歳頃でしたね。
そうですね。とはいえ起業しようとまでは考えていませんでしたから、その後は飲食店を通じて仲良くなったお客さんのスクラップ屋や投資不動産、通信業で働いたり。他の業種に飛び込んでみたことで、改めて「お金のために働くのではなく、より良いものをより多くの人々に届けたい」という気持ちが強くなって、やはり私には接客業が向いているのかもと、知り合いが経営するレストランのマネージャーとして働くことになりました。
そこのオーナーがかなりロジカルな人で、あだ名はロジカルモンスターの略で“ロジモン”(笑)。私が足りないものを持っていて大きな影響を受けましたね。
例えば、深夜1時頃に仕事が終わってミーティングが始まると、朝の6時ぐらいまで「言いたいことを図で書いて説明しなさい」「君がそうしたい目的、狙いは何だ」といった具合に、ロジカルに説明しなければ納得してもらえないんです。
私自身は大阪芸術大学に進んだぐらいですから、どちらかというと右脳タイプ。感覚で適当に突き進む人間だったので「このままではダメだ」と、そこに在籍していた2年間は徹底的に論理的思考と基本的なビジネススキルを学びました。
別の会社に店長としてヘッドハンティングされた際に「この2年の経験を活かせる!」と意気込んでいたら、これが上手くいかなくて。従業員に拒絶反応を示されることが多かったです。ほら、よく経営コンサルタントが入ったところで、企業体質に馴染んでいないと反発されるとかあるじゃないですか。
飲食業は笑顔と愛嬌でやっている人が多いので、その頃の私は「頑張るとかいらないから、成果かプロセスで結果を示して」というかなり無感情な冷徹男だったと思います。(笑)そんな中、彼らに論理的思考を叩きこむことに限界を感じ、自分自身が右脳と左脳のハイブリッドになれるようにリハビリを実施するも、売上も上げられずに約2年が経ち、別店舗で店長から副店長になったことで、自分の中で何かが吹っ切れたようでした。
そこで吹っ切れたのが良かったのか、自分の中で整理がついて右脳と左脳のバランスが取れるようになったと同時に、胡散臭い話ですが人の感情やオーラが見えるようになりました。そこから本当に付き合っていくべき人、大事にするべき人とはどういう人なのかというのが、少しずつわかってきたような気がします。
そんなことを考えていた頃、BNI(異業種交流組織)に顔を出すようになったことも大きなターニングポイントでしたね。
20代は「成長するためにキツい方を選ぶ」「鍛錬」をテーマに自分自身を磨いてきましたが、その頃30代になってゆっくりと周囲を見渡せるようになり、さらに色んな人との出会いもあって30代のテーマは「人とのご縁を大事にすること」にしようと。それが約1年前のことです。
意識をして物事を見る角度を変えてみると、たくさんの良い人たちに出会える機会が増えていきました。私が考える“良い人”とは、限りなく人に何かをしてあげようとしている精神の持ち主のこと。私も刺激を受けて、彼らに何かをしてあげようという気持ちになります。
そういった人たちと濃い時間を過ごすことで良い連鎖反応が起き、今の起業に結びついていると思います。
まずはインテックス大阪の展示会で御縁があった、カビの除去を専門とした企業と業務提携し、1年間仕事をさせてもらいました。その時に「これは先々、可能性のあるマーケットだな」と。
なぜなら昔、ファブリーズといった消臭剤を使う人はマイノリティでしたが、今は皆が普通に使っていることを思えば、ウイルスや細菌を気にする消費者が増えているということ。「ニーズは増えるだろう!」と踏んで、独立することにしました。
スーパーマーケットの天井や食品工場の水廻りは、湿度が原因でカビが発生しやすい場所です。その繁殖したカビ菌を除去、防カビを施工し、繁殖しにくい環境に改善することや、介護施設への肺炎予防、インフルエンザ等の感染症対策等が主な仕事になります。
カビの除去や防カビは、環境や設備によっては再発する恐れがございます。例えば天井裏の冷媒管の断熱処理のクオリティや、空調費削減による節電もカビ再発の大きな要因となります。私共であらゆる設備のリサーチを行い、増設したり設置場所を変えるなど、様々な業種の企業様に最適なご提案をしていくコンサルティング面も担っているんですよ。
それは間違いないです。冬場のノロウイルス対策としてウイルスの除去といった問題にも対応しているので、「うちはカビだけ」と限定するのではなく、「従業員さんの健康管理もさせていただきます」といった気持ちで、企業・介護施設・病院・保育施設など受け皿を広くしています。
今の話の延長になりますが、今後やりたいこととしては臨床心理士さんや医療法人さんとコラボしながら、もっとより多くの人に対してインフルエンザやノロウイルス対策、食中毒対策、そしてカビ菌によって起こる肺炎、喘息、皮膚炎、がんといった健康面をケアするお役に立ちたいな、と。そして日本人にもっと元気になってもらい、日本経済を盛り上げていきたいと考えています。
そうだといいですね。それと、社名であるギアミクスの由来が「ギアとギアのミックス」、つまり「歯車をかみ合わせる」という意味であるように、技術はあるけど、モノを売るのが不得意な会社と一緒に新しいプロダクトを生み出すことにも関心があります。
モデルになっているのはドイツの“スマートファクトリー”という小さな工場同士が集まってプロダクトを作るスタイルで、日本でも日立市では実施されていますが、この大阪でも同じようなことができたら良いなと。長年の接客業の経験で培った「本当に良いモノを、より多くの人々に届けたい」という精神をもって、より多くの人達に喜んでもらえるような会社にしていきたいですね。
人生において関われる人数には限りがあります。その中で同じ夢や志、価値観を有した者たちが集い、「相手のために自分は一体何ができるのか?」を考えること、そして「どれだけ多くの人たちに喜んでもらえるのか」を追究することが、人と“つながる”ということなのではないでしょうか。
役職: | 営業担当執行役員 |
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出生年: | 1984年 |
血液型: | O型 |
出身地: | 大阪府大阪市旭区 |
出身高校: | 奈良県立高田高校 |
出身大学: | 大阪芸術大学 |
ニックネーム: | やべっち |
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趣味: | 美味しいものをワインと合わせて食す |
特技: | よく笑うこと |
尊敬する人: | 周りにいる様々な人 |
年間読書数: | 3冊 |
好きなマンガ: | ナルト |
好きなスポーツ: | サイクリング |
好きな食べ物: | ローストビーフ、ドライフルーツバター |
嫌いな食べ物: | 納豆 |
行きつけのお店: | 紅白、もじもじ、ぐっち |
訪れた国: | ハワイ、シンガポール、マレーシア |
大切な習慣: | テンションが低かったら笑う、自分と対話する |
口癖は?: | 素晴らしい |
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